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薬草園のあゆみ

中川淳庵顕彰薬草園記念植樹式

江戸時代の小浜藩医中川淳庵の功績をたたえる「中川淳庵顕彰薬草園」が平成25年(2013) 5月に、福井県下で唯一の薬用植物園として外来棟南側に開園しました。

中川淳庵は、杉田玄白とともに「解体新書」の翻訳に当たった小浜藩医で、平賀源内と同門の本草学者(薬草を中心とする博物学者)でもあり、オランダ商館の医師 ツュンベリーとの交流を通じて、我が国の植物学の近代化に貢献しました。

薬草園は、敷地面積320㎡、植栽面積177㎡で、病院の高度医療施設整備事業第3期工事の一環として整備されました。園内には江戸や大坂で当時開かれていた薬草などの物産会「薬品会(やくひんえ)」に淳庵が出品した薬草を中心に、ノゲイトウやウコン、ラベンダー、ローズマリーなど100種類を超える薬草が植えらえ、患者さまや地域の皆さまの憩いの場としてご利用いただいています。

平成24年11月24日の第3期工事の竣工式の際、薬草園の設置記念植樹を行い、古代ギリシャの医聖ヒポクラテスゆかりの広葉樹プラタナスを植えました。


「中川淳庵顕彰薬草園」について

[新聞掲載] 福井新聞:小浜病院に薬草園

薬草園管理アドバイザーと園芸ボランティア「すみれの会」

当薬草園の設計、施工、薬草の選択、維持管理に至るまで、アドバイザーとして、ご指導をいただいているのは、日本植物園協会名誉会員の渡辺斉先生です。

先生は千葉大学園芸学部を卒業後、武田薬品工業に入社され、一貫して薬用植物の栽培と保護、育成に関する研究に従事、京都の北白川、曼殊院に隣接した同社の京都薬用植物園の園長を勤め、日本植物園協会副会長、薬草園部会代表理事などを歴任されています。当園の春の恒例行事となりました「薬草に親しむ会」では、薬草の活用法や楽しみ方を、わかりやすく紹介してくださっています。

渡辺アドバイザー

また、日頃から薬草園の維持管理にご協力いただいているのは、病院の園芸ボランティア「すみれの会」の皆様です。その活動ぶりはこのホ−ムページ内の「すみれの会だより」でご覧ください。あらためて、ご支援とご協力に感謝いたします。

シンボルツリー・スズカケノキ

病院駐車場の奥に設けられた薬草園の中央で、大きく枝葉を広げている木がスズカケノキ(Platanus orientalis)です。設置記念樹として植えられたもので、ヨーロッパ南東部からヒマラヤにかけて分布する落葉広葉樹です。葉は大きくて掌状に5~7裂します。早春、新葉の展開とともに淡黄緑色の雌花と雄花を別々に咲かせ、晩秋には長い柄の先に径3㎝ほどの球形果を3~4個連なって下垂します。和名は、その果房の形が山伏の着る篠懸(スズカケ)の麻衣についている鈴玉に似ていることに由来しています。

ギリシャのコス島に生育する巨大な老樹は、その昔ギリシャ時代の医聖・ヒポクラテスがこの木の下で弟子達に講義した逸話から、いつしか「ヒポクラテスの木」と呼ばれています。この老樹の種子から育てられた苗が、今では世界中で大学の医学部や医療施設に「ヒポクラテスの形代(かたしろ)」として植樹されています。この木を通じて、「生きた人間の健康を保ち、疾患を除きたい」という先人の根強い人間愛の心を引き継ぎたいと願っているわけです。

薬草園の木は、日本ギリシャ協会のご助力を得てコス島から直接入手した「1995年株」から、遺伝子が変異しないよう"取り木"という手法で増殖された個体です。ちなみに、街路樹の「プラタナス」は、遺伝子が異なる交雑種で、葉の切れ込みが浅く、樹皮が斑に剥げ落ちる特徴があります。

スズカケノキ

スズカケノキ