2023年8月(葉月)の情報
緑蔭に 染まるばかりに 歩くなり
星野 立子
熱風が身体にまつわりつくような日が続いています。薬草園では、暑い夏にふさわしく大きく枝を張るシンボルツリー・ヒポクラテスの緑陰と、黄色の小花を茎頂につけたオミナエシ(女郎花)が、見事なコントラストを演出しています。ハトムギの実が大きく育ち、ケィトウも赤い炎を彷彿とさせるように、炎天下で咲き始めています。
葉月の風物詩といえば、京都では「五山の送り火」。小浜の海辺の集落では、伝統行事「精霊流し」が行われます。お盆で迎えたご先祖の霊を船に乗せ、それぞれに思いを馳せながら、再び西方浄土へ送り出す大切な行事です。
地域の人々の熱い信仰心と強い絆を感じます。精霊船を見届けると、厳しく暑い夏の終わりもすぐそこ。
薬草園も移りゆく季節に合わせて表情を変えていきます。連日の猛暑でつかれた身体や、気持ちをリセットしたいと感じた時にはぜひ訪れてみて下さい。緑陰に染まる気分で、不思議と心が和みます。


オミナエシ


