9月の開花情報(見どころ)
秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行・古今和歌集
猛暑にさらされた8月が過ぎ、頬に触れる風にようやく秋の気配を感じる頃となりました。
薬草園では、無事夏を乗り越えた草花たちが、可憐に咲き競っています。
ぜひ立ち寄って、初秋ならではの風情を楽しんでみて下さい。
1.9月の開花情報(見どころ) 東玄関の奥側から
①トロロアオイ(黄色の巨大輪で一日花、塊根の粘液成分を紙漉きに利用)
②ミシマサイコ(日本特産の薬用種、黄色小花を次々に咲かせる)
③ムクゲ(白花と紫桃色花の2品種、一日花、樹皮を薬用とする)
④サボンソウ(白花と紅桃色の2種類、根に泡立つ成分がある)
⑤ノゲイトウ(葉が紫紅色でよく目立つ、紅白2段の穂状花を次々に出す)
⑥ハマビシ(黄色小花、果実に多数の棘がある、江戸期に若狭特産の記録)
⑦ウイキョウ(ハーブ名・フェンネル、未熟果を噛むと爽やかな甘みがある)
⑧ツリガネニンジン(薄青色の鐘状花を数段に咲かせる、新芽は山菜)
⑨セリ(春の七草の一つ、白色小花を頂生する)
⑩トウゴマ(大きな赤褐色の葉が目立つ、葉陰に黄色の房咲き)
⑪ウ ド(白花を散形花序につける、春の新芽が山菜として人気がある)
⑫ニ ラ(白花を頂生する、若い蕾は油炒めでほんのり甘い味)
⑬ケイトウ(鶏冠のような花形で花壇の花、中川淳庵が薬品会に出展した)
⑭ホンカンゾウ(朱紅色の美花、若い蕾が中華食材の“金針菜”“)
⑮オミナエシ(秋の七草の一つで黄色の花、根に特有の臭い)
⑯フジバカマ(万葉期からの芳香材、光源氏も愛用か??)

トロロアオイ;病院待合からも見える黄色の大輪花

ケイトウ;夏の代表的な庭花、鶏冠部分が薬用

