2023年3月(弥生)の情報
三月の 声かかりし あかるさよ
富安風生
春は光の春、音の春、気温の春と3段階でやって来るといわれています。
最初に訪れるのが光の春。日脚がすっかり長くなり、冬の間ひっそりと息をひそめていた草や虫たちが、顔を出す啓蟄を迎えました。
若狭路に春を呼ぶ伝統神事、奈良東大寺二月堂(若狭井)への「お水送り」が、3月2日厳かな雰囲気のもと小浜市で行われ、いよいよ待ちわびた季節の到来に気持ちも華やぎます。
厳しい冬から解き放たれた薬草園では、優しい陽の光に包まれシャクヤクの芽吹きが始まっています。
新たな生命の息吹きにそっと寄り添ってみてはいかがですか。思わずあなたの顔もほころぶことでしょう。
3月は、女の子の健やかな成長を願うひな祭りが、日本全国各地で催されます。
旧暦で桃の季節にも当たり、桃の節句とも呼ばれています。
その主役である雛人形の内裏様(男雛)とおひな様(女雛)の座る位置が、京都と関東で異なります。
向かって左側におひな様、右側にお内裏様を飾るのは京都。関東ではその逆です。大正天皇即位礼のとき、洋装の陛下が西洋文化に習われたことから、この風習が全国に広がったといわれています。
今ではほとんどが関東流ですが、京都の雛飾りは御所の紫宸殿を模したもので、宮中の雅な世界を今に伝えています。


