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オケラ・災難除けのシンボル

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特徴

 オケラ(Atractylodes japonica)は、日当たりのよい乾いた山地に自生する雌雄異株の多年草です。草丈60㎝ほどで、下葉は2~5裂して縁に刺状の鋸歯があります。9~10月頃、枝先につく白色頭状花は魚の骨状の総苞で囲まれています。昔の成書では“山菜の横綱”に格付けされていますが、最近では自生株が激減して絶滅危惧種に指定されていますから、味見さえままならないのが実状です。
根茎を乾燥したものを「朮(ジュツ)」と称し、消化管および皮下組織中に起こる水分代謝の不全に対して利尿・発汗を促し、漢方でいう水毒を除く要薬とされています。現在では「白朮(ビャクジュツ)」と「蒼朮(ソウジュツ)」に区分されていますので、薬草園ではそれぞれの正しい基原植物を栽培・展示しています。

 京都の八坂神社で毎年大晦日に行われる“オケラ詣り”とは、オケラの根茎を焚いてその煙のたなびく方向から豊凶を占い、また参拝者はその火を火縄に移して持ち帰り(今は危険防止でカード型に変更)、雑煮を炊いて年頭を祝うとその年は無病息災という催しです。本来虫除けにしかなりませんが、転じて魔除けにされたようです。またその煙には抗カビ作用があり、昔は水害の見舞として根茎が贈られていたことも、災難除けのシンボルとして風習に採り入れられた一因なのかもしれません。50g程を袋に包み米櫃(コメビツ)の中に入れておけばコクゾウムシの侵入を防ぐことができますよ。