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カラタネオガタマノキ・開園10周年記念樹として植栽

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特徴

当薬草園の開園10周年記念樹として2023年5月27日に植えたのがカラタネオガタマノキ(Magnolia figo 別名:トウオガタマ)です。モクレンの仲間で、中国東南部原産の高さ3mほどに成長する常緑小高木です。花に強いバナナの香りがあるので、英語名は「バナナの木」。気温が20℃以上になるとよく匂います。主として5月連休明けから6月に咲きますが、秋に伸びた枝の葉腋に花芽を着けて、10月頃にも咲く“二季咲き性”という特性を有しています。黄白色の花は径3~4㎝で、平開しない“含み咲き”という形で、中国では「含笑花」と呼んで頭髪を飾る風習があるそうです。また「カラタネ」とは中国から渡来した意の“唐種”、あるいは稀にしか結実しないことに由来する“空種”という二つの説があります。なお、基本種のオガタマノキ(招霊木 M. compressa)は、房総半島以南の山野に自生する常緑高木です。花は白色でやや小さく、匂いは弱いです。和名は招霊(おきたま)の転化したもので、その枝を”玉串”として神前に供えて「神霊を招祈奉るから」とされていますが、いつの間にか全国に生えるサカキに代用されるようになって、今では神社の古さを現すシンボル・ツリーとして、格式高い神社にだけ大木が残されているわけです。