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カワラヨモギ・黄疸治療の特効薬

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特徴

 カワラヨモギ(Artemisia capillaris)は、名前の通り、大きな河川の土手や河原の砂地に生えています。およそ“らしくない”小さな花の形態が、路傍でふつうに見られるヨモギによく似てはいますが、葉は糸状で細くヨモギとは全く異なる様相で、特に晩秋の頃に株元で芽吹いたロゼット葉は銀白色の微毛に被われています。また川の上流に生えるものは茎が直立して葉は緑色、花はやや小ぶりなのですが、下流になるほど草丈が低くなり、特に海岸の砂地(例えば、鳥取県北条砂丘、高知県足摺岬など)に生育するものは茎が低く横に広がり、葉は銀白色を帯びて個々の花が大きいなど、一見異種に見えるほどの違いがあります。それらの変異は連続的で、かつ花の形態としては全く同じなので、植物分類学上は特に区別されませんが、場所を移して栽培してもその外部形態はほとんど変化しないので、”生態変異”と考えられています。薬草園では滋賀県野洲川の上流域から挿し穂を採集し、継代栽培しています。

 9~10月頃、開花前の花蕾を乾燥したものが「茵蔯蒿(インチンコウ)」で、胆汁の分泌、排泄を促進する作用があるため、黄疸治療の重要な漢方薬に配合されています。因みに、漢名は”古い(陳)苗がもと(因)となって新しいヨモギ(蒿)が生まれる”ことからつけられた由。利胆成分は、川上に生えている個体の方がより多い傾向が認められています。