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タイマツバナ・ベルガモットの香りを放つ赤花の宿根草

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特徴

タイマツバナ(Monarda didyma)は北アメリカ原産で、カナダやメキシコなどにも分布するシソ科の多年草です。茎は四角形で草丈40~100㎝、葉は先端が尖った卵形の鋸歯状になっています。耐寒性、耐暑性ともに極めて強く、和名が示すように茎の頭頂に“松明(タイマツ)”の炎を連想させる鮮明な赤い花を盛り上がるように咲かせ、苞も赤く色付きます。開花期は6月~9月、花径4~6㎝、夏の花壇を彩って力強く咲く姿が魅力的です。桃、紫、白、黄など花色も多彩です。英名(Oswego tea)はニューヨーク州西部を流れるオスウェゴ川畔に住んでいた先住民族が初期の入植者にハーブティーとしての利用法を教えたことに由来しています。その後、アメリカの独立戦争前後にイギリスとの関係が悪化して茶が不足したとき、お茶の代用品として重宝された由。またイタリア産オレンジによく似た甘い香りを持つことから、別名「ベルガモット」とも呼ばれています。

乾燥させると香りはより強くなり、ポプリに利用されます。殺菌力のある精油成分チモールを含み、喉の痛みや消化不良、駆風作用があり、鎮静効果も期待できます。ただし、有毒な青酸化合物を微量に含むので、多量の摂取は避けること。