チャービル・伝統的な西洋料理のハーブ食材
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特徴
ウイキョウゼリ(茴香芹 Anthriscus cereifolium)は、本来コーカサス以南からイラン北部山地の原産ですが、古代ローマ時代にヨーロッパ中に広められ、今では西アジアやロシア南部にも分布しています。生垣や荒れ地に生えていた雑草が19世紀後半に注目されるようになり、今では英名「チャービルchervil」の呼び名が広く知られています。耐寒性があり、草丈30~50㎝。茎は中空でわずかに分枝し、葉は淡緑色の3回羽状複葉です。5~7月頃、複散形花序をつけ、径3㎜ほどの白色五弁花を咲かせます。
葉には特有の甘い香りと風味があり、香辛料としてスープやドレッシング、魚・卵料理に用います。生食すると、イタリアンパセリにヨモギを足してピリッとさせたような味わいです。栄養価が高く、β-カロテン、ビタミンC、鉄、マグネシウムなどが豊富に含まれ、免疫力の強化に役立つとされています。香り成分には消化、発汗、血行の促進あるいは血液浄化などの作用があり、医薬としての用途が知られています。
直射日光と湿気を嫌うので、半日陰地で風通しの良い場所を好みます。表土が乾く前に灌水し、週に一度薄い液肥を与えます。ナメクジ避けに利用されることもあります。