アマ・女性ホルモンを整える油脂
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特徴
団塊世代が青春の頃に口ずさんだ“亜麻色の髪の乙女”(1968)にある「亜麻」とは、中央アジア南部原産の一年草アマ(Linum usitatissimum)の茎から取り出された真っ直ぐな細い繊維のことで、絹糸のように柔軟で光沢のある黄褐色をしています。毛羽立たず、水分の吸収や発散が早く、熱に強くて伝導性が良いなどの特性があり、その上質な織物が“リネン”と呼ばれています。
アマの生育日数は85~100日です。草丈は1m前後になり、茎の太さは1~2mmで、茎の頂部で3~5本に枝分かれします。葉は披針形で小さく、草丈の伸長とともに数を増して50~80枚になります。夏に藍色または白色の花をつけますが、早朝4~5時頃から開き始め、正午までには大半が散ってしまいます。果実は黄褐色で円形、中の種子は平たい扁楕円形でやや光沢があり、外皮に粘液層を有するため水分を吸収すると寒天状になり、別名で「ヌメゴマ」と呼ばれることもあります。
種子を圧搾して得られた「亜麻仁油(アマニユ)」は乾性油で、軟膏基剤、カリ石鹸の原料、絵の具や印刷用インキ、リノリウムなどの材料に使われています。最近の食生活で不足しがちなオメガ3不飽和脂肪酸を豊富に含むことから、女性のホルモンバランスを整える働きが注目されています。美肌やアンチエイジング効果が期待できます。ただ、熱を加えると酸化しやすいので、その点に留意して利用しましょう。