アサガオ・日没後10時間で花開く
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特徴
アサガオ(Pharbitis nil)は、南中国からヒマラヤ山麓地帯の原産と推定されるつる性の一年草で、茎は左巻きに物に巻き付いて伸びます。そのため茎を反対方向へ誘引すると、当然解けてしまうので注意が必要です。果実は球形で3室からなり、各室に黒褐色の2個の種子が入っています。原種の花は径3~4㎝の薄青色で、典型的な短日植物のため、自然では夏至を過ぎる頃でないと花を着けませんが、わずか1~2日の短日処理で花成誘導されることから、しばしば理科の実験材料として利用されます。気温が23~27℃の条件下では、日没後約10時間目に花を開きます。通常、5時頃から開花して10時頃が最も美しい。植物体内の生物時計(内生リズム)は日没時にリセットされることから、夕方少し早く暗いところに移すと午前2~3時に開花し、逆に夜遅くまで明るくしておくと朝なかなか花を開きません。季節が進むにつれて開花時刻が早まり、10月には夜中の1時半頃に花を開きます。
熟した種子が「牽牛子(ケンゴシ)」で、利尿と駆虫を兼ねた峻下剤として用いられます。瀉下成分のファルビチンは、腸内に入って胆汁や腸液で分解され、腸管に強い刺激を与えて蠕動を増加し、腸粘膜を充血させ、水瀉性下痢を引き起こします。作用が強く、使用の際には専門家の指導が必要です。