エビスグサ・便通改善のお茶
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特徴
エビスグサ(Senna obtusifolia)は中央アメリカ原産の一年草で、享保年間(1716~1736)に中国から渡来しました。高さ80~150cm、偶数羽状複葉で、小葉は通常3対。6~9月頃、黄色5弁の蝶形花をつけ、果実は15cmほどの細長い莢果で下向きに湾曲し、中に30~35粒の種子が1列に並んでいます。種子はやや六角状で、表面には光沢があります。
完熟種子を「決明子(ケツメイシ)」と呼び、中国では主に眼科疾患(目の充血、疼痛、流涙など)に用いられます。日本では本種とハブソウ(S. occidentalis)の種子を「ハブ茶」と呼び、整腸、緩下(カンゲ)(便通改善)を目的に飲用されています。一旦焙じると成分が溶出しやすくなって味が良くなり、保存性も増します。ただ、現在“解体新茶”には別種の決明子(輸入品)が使われていますので、早い機会に小浜産の本種栽培品に差し替える施策が必要ですね。
本種は基本的に高温を好む植物で温暖地に適しますが、過湿あるいは日陰地には不向きです。播種後、7~10日で発芽し、その後20日ほどで本葉3~4枚になるので、条間60cm、株間25cmに間引いて栽培します。花期が長く、早いものから順次熟して、そのまま放置すると種子が脱落してしまいます。そのため、数回に分けて収穫しなければならないことが最大の難点です。