ハッカ(ミント)・爽やかで清々しい香り
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特徴
学生の頃(半世紀も前)、当時“カニ族”と呼ばれた貧乏旅行で北海道を隈なく歩き廻った際、道端のあちこちにハッカが生えていました。調べると、昭和14年(1939)には北見のハッカ油蒸留工場がフル稼働していて世界市場の約70%を占めていましたが、その後急速に生産を縮小するに至ったため、畑に放置されたものが逸脱してしまったらしい。今は土産物のハッカ製品にその名残りを留めています。
開花前の地上部を乾燥した「薄荷」には、発汗、解熱、鎮痛、芳香性健胃などの作用があり、中枢抑制や血管拡張などに有効です。風邪の熱・頭痛あるいは熱射病の発熱・口渇などに対して、粉末大さじ1杯くらいに熱湯を注いで服用します。また浴湯料として疲労回復、腰痛、神経痛などに用います。水蒸気蒸留して得られる「薄荷油」は、局所刺激剤(パップ剤、プラスターなど)に利用されます。
薬草園には代表的なミドリハッカ(Mentha viridis;spearmint)とその交配種のセイヨウハッカ(M. x piperita;peppermint)が植えられています。前者はカルボンが主成分で、全株に甘い香りを有し、7~8月頃に紫色の小花を輪生します。後者は、メントール含量が多いので香りが強く、穂状の花を茎頂の枝先につけるのが特徴です。両者は容易に交雑して雑種を生じますので、“勝手生え”にご注意を !!