キクニガナ・ほろ苦いイタリア食材
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特徴
キクニガナ(菊苦菜 Cichorium intibus)は、ヨーロッパから中央アジアに原産し、低地の湿原や泥炭地などに生える多年草です。高さ60~150㎝。根際から生える葉はタンポポの葉に似ています。上部の葉は互生して茎を抱いています。7~9月頃、夏の強い日差しを浴びて径4㎝ほどの美しい薄青色の花を咲かせます。花は夜が明けると開き、昼過ぎには閉じてしまう「半日花」で、ヨーロッパでは農夫の昼食の合図になっているところから“農夫の腹時計”とも称されています。
本種の葉や根には苦味質の成分が含まれていて、古代ローマ時代から食用あるいは茶材として利用されてきました。「チコリー」と呼ばれ、利尿、強壮、健胃などの作用があって食欲増進、消化促進などに効果的です。また体内の老廃物や尿酸を排出する働きもあるとされています。さらに、肥培した2年生株を暗黒下で軟白栽培し、肥厚した新葉を主にサラダとして賞味します。
イタリアでは葉を茹でて料理の付け合わせに利用します。中でも赤い品種群は“ロッソ”と呼ばれ、高級食材とされています。一方、フランスでは冬期に煮込みやグラタンの材料として繁用されています。今では日本でも栽培されるようになりました。中でも岐阜県中津川市には「ちこり村(サラダコスモ社)」という生産工場・直売施設があり、「トレビス」”という名で市販されているようです。