トップページ > 中川淳庵顕彰薬草園 > 薬草のご紹介 > コエンドロ・インドカレーの主役

コエンドロ・インドカレーの主役

薬草検索

特徴

 カレーの本場インドでは、それぞれの家庭で気候や体調に合わせる形で多彩な香辛料が組み合わせて使われています。特に、コリアンダーが主体となったものは淡褐色を呈し、レモンとセージを混ぜたような特有の芳香を放ちます。これは、地中海地域からコーカサス地方を原産とするセリ科の一年草コエンドロ(Coriandrum sativum)の乾燥果実を軽く焦がしたものです。薬用として健胃、駆風(お腹のガス抜き)、鎮痛・鎮静、去痰作用などがあり、胃液や胆汁分泌を促進して消化不良を改善します。

 コエンドロは古く紀元前から栽培され、医学の父ヒポクラテスが胸焼け防止や催眠薬になると記述しています。またアメリカで最初に栽培されたハーブとしても知られ、咳薬、健胃剤、口臭や吐気防止などに利用されました。今では世界各地で商業的に栽培されています。草丈50~100㎝で、6月頃、枝先に桃色を帯びた白色の小花をつけます。果実は径5㎜の球形で、夏に完熟します。

 葉は、中華料理で「香菜(シャンツァイ)」、タイ料理で「パクチー」、ベトナムでは「ザウムイ」などと呼ばれ、肉料理、スープ、麺類、粥、鍋料理などの風味づけに欠かせない香辛料ですが、カメムシの臭いに似た独特の臭気があるため、人によって好き嫌いが大きく分かれる食材でもあります。