コウスイボク・レモン風味の料理に
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特徴
コウスイボク(香水木 Aloysia citrodora)は、南米のペルー、チリおよびブラジルなどに分布する、クマツヅラ科で非耐寒性の落葉低木で、英語名を「レモンバーベナ(lemon verbena)」と言います。高さ1~3mに達し、茎は四角形です。葉は長さ10cm、幅2cmの披針形で輪生し、レモンのような芳香があります。8~9月頃、長さ12cmほどの円錐花序を出し、長さ6mmほどの小さな花を多数着けます。花色は白または淡紫色です。栽培では、豊富な日光、多量の水、さらっとした火山灰土壌を好みます。
本種の新鮮な葉や花から水蒸気蒸留法によって採られた精油は、香水、石鹸、化粧品の香料などに用いられます。精油には鎮静効果があり、神経の緊張や不安、悲しみを和らげて気持ちを穏やかに明るくさせてくれるので、不眠症にも有効です。胃腸の調子を整え、消化を促進する効能もあり、また気管支の炎症を抑える働きもあるため、風邪の引き初めにも有効です。ただし、皮膚刺激の強い精油なので、敏感肌の人や妊娠中は使用しないよう注意が必要です。
また新鮮な葉は魚や鶏肉料理、野菜のマリネ、サラダドレッシング、ジャム、プリン、飲料などにレモンの風味を加えることができます。またハーブティーやシャーベットにも使われています。