ラベンダー・アロマオイルの代表種
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特徴
ラベンダー(Lavandula angustifolia)は地中海地方の原産で、高さ80cmほどになる多年生の亜低木です。全体にこんもりとした茂みになり、初夏に細い花茎を突き出して先端に多数の紫色の小花を穂状につけます。その新鮮な花穂から採り出された精油が「ラベンダー油」で、ヨーロッパでは古代から防腐剤や浴用剤として用いられてきました。駆風(お腹のガス抜き)、引赤、鎮静、鎮痙(ケイ)、利尿などの作用があり、鼓腸が特徴となる胃の不調に内服されます。また外用すると強い抗菌作用があって、切り傷、火傷、虫刺され、呼吸器感染症などに有効です。さらに、皮膚の毛穴の活動を刺激し、表皮細胞を引き締め、筋肉の緊張をほぐし、関節の痛みあるいは頭痛を和らげる働きなどがあるため、アロマオイルの代表格として扱われているのです。
この仲間は南ヨーロッパに広く分布し、排水のよい石灰質土壌に生えています。商業生産地としては南仏のプロバンス地方が有名です。日本での栽培では、まず土壌にパーライト(市販のアルカリ性土壌)と消石灰の適量を混入して排水を良くしておき、特に香り高い園芸品種を選んで植えます。“蒸れ”で枝枯れを起こしやすいので、梅雨期の前に「枝の間引き」をしておくことも重要です。開花初期の花穂を摘み取って“除湿乾燥”すれば、プロバンス産に負けない高品質の香りを楽しむことができますよ。