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マンネンロウ・記憶力を増すハーブ

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特徴

 正式和名はマンネンロウ(Rosmarinus officinalis)ですが、今では英語名のローズマリー(rosemary)の方がよく知られている、地中海沿岸で海に面した崖地に生える常緑低木です。高さ0.6~1.2mとなりますが、矮性や地面を這うタイプなど様々な品種が育成・市販されています。葉は長さ3㎝の細い革質で、両縁が裏側に巻き込んでいて、葉の裏面には綿状毛が密生して灰色に見えます。葉腋に春から初秋の長期間にわたって淡紫色または白色~淡桃色の花を咲かせます。栽培では、梅雨期の蒸れを防ぐため事前に枝の間引きを忘れないことがポイント。またマメ科植物やニンジンとの相性が良く、お互いに病気や害虫から守る力があることから、“共栄作物”の一つとされています。

 生薬名は「迷迭香(メイテツコウ)」で、全草にロズマリン酸などの精油を含み、健胃、鎮痛、駆風(お腹のガス抜き)などの作用があります。また殺菌および口臭除去の効果があることから、西洋料理では肉料理の香辛料として利用されています。枝葉を乾燥させておくと、いつでも料理に使用できますよ。

 古代ギリシャ時代には、この枝葉が頭脳を明晰にし、記憶力を増す力があると信じられ、花冠に編み、また魔女や悪魔除けにも使われました。花言葉は「変わらぬ愛と思い出」で、シェークスピアは『ハムレット』でオフィーリアに本種の枝を持たせて「忘れないでね」と語らせます。