メグスリノキ・かすみ目の改善茶
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特徴
メグスリノキ(Acer nikkoense)は、宮城県以南で標高700m付近に分布する日本特産の落葉高木で、学名と英名(Nikko maple)は特に栃木県日光付近の山地に多いことを示しています。長野県下新井の大株は天然記念物に指定されています。最近の遺伝子解析研究によって、カエデ科からムクロジ科に所属が変更されました。雌雄異株で、樹高10~25m。葉は長さ5~13㎝程度で長い柄があり、3枚の小葉からなる複葉で、秋に美しく紅葉するのが特徴です。5~6月頃、黄緑色の花を開き、秋には翼のある果実をつけます。和名は、樹皮を煎じて洗眼薬に用いたことに由来しています。司馬遼太郎の小説『播磨灘物語』では戦国時代の武将・黒田如水の祖父が本種を原料とした目薬を作り、巨万の財を成したと描かれています。
樹皮や小枝には苦味成分を含み、1日量15~20gを目安にこれを煎じて内服するが、独特の苦みと匂いがあって飲みづらいのでレモンや蜂蜜を少量加えるとよい。眼病の予防や視神経の活性化に有効で、かすんだ目も遠方まですっきりします。そこで、別名が「千里眼の木」「長寿の木」。また肝臓疾患にも有効で。手軽な“飲む目薬”と言えそうです。目薬として用いる場合は3~5gを煎じた液で眼を洗います。秩父の慈眼寺では本種の切片を用いて「秩父眼茶」を販売しています。