トップページ > 中川淳庵顕彰薬草園 > 薬草のご紹介 > ムラサキバレンギク・観賞期間が長い花

ムラサキバレンギク・観賞期間が長い花

薬草検索

特徴

 ムラサキバレンギク(E. purpurea)は北米原産の多年草で、草丈60~100cm。葉は卵状披針形で全縁、茎下部の葉は長さ20cm程度になり、密生して株元を覆います。直径10cm程度の頭花を単生。明るい赤紫色の舌状花を15枚程度つけ、開花初期はほぼ水平に開きますが、徐々に反り返って終盤には垂れ下がります。和名は、その形状が火消しの纏(マトイ)=馬簾(バレン)に似ていることに因ります。筒状花と長い刺状の鱗片は硬く光沢があり、外観も触感もプラスチックで作られたような感じです。本種は耐乾性、耐寒性、耐暑性のある非常に強健な植物で、花期が長く初夏から晩秋に及ぶことが魅力ある特徴となっていて、切り花にすると1ヶ月以上も長持ちして“飽きがくる”ほどです。栽培では土壌が加湿になると根腐れしやすいので注意が必要です。早春の芽吹きの頃が移植や株分けの適期です。

 一方、ホソバ種の茎はやや細くて斜上し、根は円筒状に肥大してやや螺旋状となります。根はかつて咳止めや喉のただれに用いられましたが、近年ドイツで薬理学的研究が進められた結果、免疫系を非特異的に刺激して、体の防御機能が低下した際に罹りやすい風邪や感染症、皮膚病治療や予防、傷の回復力を高める働きのあることが認知されました。「エキナセア根」と呼ばれ、ドイツやアメリカでは「風邪予防や免疫力向上に有効なサプリメント」として高い知名度を確立しています。