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オミナエシ・秋の七草の女郎花

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特徴

 オミナエシ(Patrinia scabiosaefolia)は東アジアに広く分布し、日当たりのよい山地に生える多年草で、昔から人々の生活に溶け込んでいた草ですが、最近では里山の減少で野生品が極端に少なくなって絶滅危惧種に指定されています。今では7月の早咲きタイプや矮性種も育成されていて、栽培品は観賞用として切り花などにも多用されています。草丈は60~100㎝。8~10月、茎頂に黄色い小花を多数開きます。最近の遺伝子解析研究によってオミナエシ科からスイカズラ科へ所属が変更されました。和名は「女飯」の意味で、花を粟飯に例えたものとされています。

 本種の臭いが腐った豆醤に似ているため、根を「敗醤(ハイショウ)」と呼び、利尿、解毒、消炎、排膿などの作用があり、鼻血、吐血、下血などに止血の働きもあります。また産後の諸病にも用いられます。
秋の七草の一つ「女郎花」で、『万葉集』に14首詠まれて以来しばしば歌の題材になっていて、その表記は『古今和歌集』の頃から”女郎花”に定着し、その文字から茶席の禁花として扱われています。

 本種が生えているような場所には、全体に大形で花が白いオトコエシもよく見られます。乾燥途中の臭いは本種と同様で、稀に両者の雑種(オトコオミナエシ)が見出せています。オミナ(女)とオトコ、しかも臭い仲とあっては子供ができても不思議ではない、というお話ですね !!