ローゼル・赤くて酸っぱい茶材
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特徴
真っ赤なハーブティーにはローズヒップ(西洋ノイバラの果実)とハイビスカスの2種類があり、ともに酸味があって相性も良いので、一緒にブレンドされて楽しまれることも多いですね。このハイビスカスティ―の原料がローゼル(Hibiscus sabdariffa)で、花後に肥大した萼(ガク)と苞(ホウ)を生のままあるいは乾燥して利用します。エジプト原産とされるアオイ科の非耐寒性一年草で、茎は直立して2mほどに伸長し、紫紅色系と緑色系があります。花は淡黄色五弁花の一日花で、観賞用のハイビスカスに比べると美しさはやや劣ります。花が落ちると、特に紫紅色系の萼と苞は赤紅色に肥大して多肉様となり、長さ3cmぐらいになります。中にドーム形カプセルがあり、5室に多数の種子が内包されています。
古くから食経験豊富な素材として認知されていて、萼と苞は多汁で酸味があり、ジャム、ゼリー、シロップなどの材料とし、また乾燥して飲料用とします。抗酸化力を有するアントシアニン系色素を含有し、クエン酸、リンゴ酸、カリウムなどを豊富に含んでいます。萼の熱水抽出物には血圧低下作用があり、また粘性多糖類やペクチンなどには抗腫瘍活性などが報告されています。
熱湯を注いでしばらく置き、仕上げにレモン汁を数滴加えると、たちまち鮮やかな赤色に変わります。酸味の苦手な方はお好みで少量のハチミツを加えると良いでしょう。疲労回復にも効果的ですよ。