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“ヨモギ蒸しは、身体を芯から温めるデトックス法です”

サクラが咲くころになると路傍や空き地のあちこちで白い綿毛に被われたヨモギの新芽が伸び出してきます。地下に根茎が横走し、さらに匍匐茎を出して伸び、各所から芽を出して拡がることが、この植物名に「佳萌草(ヨモギ)=佳く萌える草」が充てられる所以です。その若芽を米の粉に入れて草餅を作ります。比叡山坂本にある甘味処“三九良(サンクロウ)”には甲賀市の羽二重餅と国産ヨモギをふんだんに用いた香り豊かな蓬餅が売られています(写真参照)。沖縄では健胃効果のある野菜として市場で売られており、とりわけ山羊料理には欠かせないものだそうです。

一方、5月端午の節句にショウブとともにヨモギを軒に挿す風習は今でも各地に残っていますね。ヨモギには特異の芳香があり、この植物には神を招き、悪霊を祓う力があると考えられた。これは、古く中国で虎懸門にヨモギを懸けて悪魔除けにした風習に起因するものとされています。

葉の乾燥したものを「艾葉(ガイヨウ)」と称し、収斂(シュウレン 筋肉や体液を引き締めて漏れ出るのを止める作用)、止血に用いられます。漢方では主に婦人性器の不正出血、月経過多、妊娠中の腹痛、膀胱炎、痔の出血、血尿などに応用されます。血行を良くして肌の新陳代謝を高め、肌荒れを素早く回復させる働きがあります。煎じ薬として飲むだけでなく、艾葉は少し変わった使い方でも思わぬ効果を発揮します。すなわち、“ヨモギ蒸し”という使い方です。専用の穴空き台座(市販品あり)に素っ裸で座り、専用のマントで首から下を蔽った後、台座下の中央部でヨモギの葉を燻します。骨盤周りを煙で直接温め、また粘膜や皮膚から揮発成分を浸透させることで全身の血流が良くなり、基礎代謝を向上させることができます。週1~2回の継続で特に婦人科系の悩み緩和や美肌効果が期待できます。古代ギリシャの医学誌「ディオスコリデス」にも「座浴することによって身体を温め、月経を正常にする」と記されているほどなのですよ。

ところで、ずっと前のテレビ時代劇に『木枯らし紋次郎』というのがあり、「あっしには係わりのねぇ事でござんす」と言いながら紋次郎が色々な事件に係わっていく物語。ある時、刀で斬られた後、草むらに入ってヨモギを傷口に擦り込むシーンがありました。次の週には傷口も消えて、また大活躍をしていたので、ヨモギの薬効はかなりのものだったようです。