4月の管理作業
① ケイトウ・ノゲイトウのタネ播き
いずれも直根性のため直播きとしますが、ノゲイトウは大株に育つために株間を60㎝と大きくしておく必要があります。適当な間隔で点播きした後、軽く覆土し、発芽後に間
引きします。なお、ケイトウには倒伏防止のため必ず支柱を施します。
ノゲイトウはインド原産の一年草で、草丈1mほどに育ちます。葉はすべて紫紅色を呈してよく目立ちます。また花序は円錐形で、紅白の二段咲きとなって美しいので、切り花として市販されています。黒く熟した種子は「青葙子(セイソウシ)」と呼ばれ、強壮・消炎薬として血液や目の病気に利用されます。
一方、観賞用に改良されたケイトウは、花序が鶏冠のようになって夏を代表する花です。日本に導入されて日が浅く珍しかったのか、淳庵さんが薬品会へ出品した記録が残されています。「鶏冠花(ケイカンカ)」と呼ばれ、止瀉、止血の作用があって下痢や痔疾の薬とさ
れていたようです。
② エビスグサ・ハトムギ・ローゼルのタネ播き
いずれも熱帯性の植物ですから、発芽には比較的高い温度が必要です。エビスグサは直播きしますが、ハトムギとローゼルは4月下旬にポット苗として仕立てた後、根を傷めないよう注意深く50㎝間隔で植え付けます。
3種は茶材として利用される植物で、それぞれ肌荒れを防ぐ効果が大きい“お茶”となります。すなわち、エビスグサの種子「決明子(ケツメイシ)」には糞便を軟らかくする緩下作用があります。ハトムギの果皮を取り除いた「薏苡仁(ヨクイニン)」は利尿、消炎などの効能を持つ重要な漢薬の一つで、疣(イボ)とりの妙薬でもあります。ローゼルは花のあと赤紅色に肥厚する萼片を「ハイビスカス・ティー」として利用します。熱湯を注ぐと美しい紅色となり、少し酸味があって疲労回復に役立つ爽やかな飲み物となります。
③ サボンソウ株の整理
ナデシコ科のサボンソウは中央アジア原産で、耐寒力のある多年草です。日本へは明治初期に導入され、花が美しいため花壇用宿根草としてもよく植えられています。草丈は30cmほどに株立ちとなってよく茂ります。またタネでも増殖するため、薬草園のあちこちに逸脱株が見られます。そこで、地下茎ごと掘り起こして株を減らすことにしました。実は、一・二年草を植えるためのスペースが無くなってきたのです。
古くから薬用植物として知られ、地下茎を乾燥したものが「サポナリア根」で、去痰薬とするほか慢性皮膚炎などに体質改善外用薬として利用されました。地下茎と葉には天然界面活性成分としてサポニン4%を含むため石鹸として使われます。この成分は水と油どちらにも馴染みやすい性質を兼ね備えており、肌に負担をかけずに汚れを優しく落とすことができます。古代ギリシャ時代には羊毛を晒すのに利用され、現在では国宝級文化財の衣裳や絨毯の専用洗剤として重用されているようです。







