トップページ > 中川淳庵顕彰薬草園 > お知らせ

お知らせ(毎月、更新中です)

トピックス節分の日にまつわる植物

お正月が過ぎると世間は一気に「節分モード」に変わります。昔は季節の変わり目の前日を“節分”と呼び、新しい年が始まる「立春」の前日に精霊が宿るとされた穀物・炒った大豆(福豆)で邪鬼(病気)を祓って健康を祈願しました。実は、福豆を年の数+1個余分に食べると体内からも病気を追い出すとされています。また「福茶」として飲むことも一興ですし、食べることを前提に「殻付き落花生」を撒くこともあります。7つの具材を使った巻き寿司を、その年の恵方(陰陽道でその年の福徳を司る年神様がおる方向、今年は「北北西」)に向かって食べることは江戸時代末期から関西を中心に流行していたようですが、「恵方巻」の呼び名は1989年にセブンイレブンが宣伝文句として採用し、次第に認知されるようになったもので、比較的新しいですね。その他、縁起の良い節分の食べ物としては、食物繊維が豊富で体内をきれいにする「こんにゃく」、鬼が嫌う臭いを発する焼きイワシの頭部を、鋭い刺があるヒイラギの枝に刺して戸口に置きます。さらには冬から春への年越しに“蕎麦”を食べる地方もあります。

その節分の頃に可憐な白花を咲かせるのがキンポウゲ科のセツブンソウ(Eranthis pinnatifida)です。関東以西~広島県の石灰岩地域に多く見られる日本固有の多年草で、雪を割って芽生えた後、5月の連休後には地表近くに径1㎝ほどの球茎を更新してサッと地上部がなくなる、典型的な”春植物”です。山裾や田の畔などのごく限られた傾斜面にしか見られないので、環境省から準絶滅危惧種に指定されています。近隣の自生地としては滋賀県米原市大久保(奥伊吹山麓)が有名で、例年2月中旬頃が見頃となりますが、今年の開花と“ふれあい祭り”の期間はネット検索でご確認ください。雪深いところですが、近くには伊吹そばの専門店もありますので、一度出掛けてみてはいかがでしょう。

セツブンソウ(草丈は約10㎝)
自生地の開花状況(2月中旬)
芽生えた球茎(径1㎝)
大久保の自生状況(少し古いデータ)

トピックス1月(睦月)の情報

新たな1年の始まりです。薬草園が昨年暮れの思わぬ大雪で、白い綿を身にまとったように覆われ、冬の陽ざしに輝いています。
薬草たちは雪の下でじっと我慢の冬籠もり、春を迎える準備中です。
いつもと違う静寂に包まれた薬草園を覗いて見て下さい。寒さを吹き飛ばす、何か新しい発見があるかも知れません。

トピックスお正月に飲む「お屠蘇」とは?

「お屠蘇(トソ)」は、古来より正月の行事に欠かせない薬酒としてなじみ深く、「お屠蘇気分」の言葉もあるくらい広く日本人の間で親しまれています。本来、病気の予防や保健のために用いられた“くすり”が、日本へ伝わってから形式化し、新年の縁起を祝って1年間の病気払いのおまじないとして飲まれるようになったものです。

中国・魏(ギ)の名医であった華陀(カダ)が創製・処方した薬酒で、蘇(ソ)という病を起こす鬼を屠るという意味で名付けられました。一切の病の根源となる悪気や体内に蓄積された食毒を取り除き、延年長寿の効力があるとされています。

日本では、嵯峨天皇の弘仁年間(810~824)に唐の蘇明が和唐使として訪れた際、「屠白散」と称する霊薬を天皇四方拝の儀式に献上されたのが始まりです。その後宮中での仕様が民間にも広まり、元旦に息災を祝う意味で用いられるようになりました。白朮(ビャクジュツ)、山椒など消化機能を回復する薬と、桂皮、防風、桔梗根など寒さから身を守る薬で構成されています。運動不足で食べ過ぎ状態になっている時の消化を助け、また風邪に対する効果があるので、飲み過ぎや食べ過ぎには年中飲んでもいい方剤でもあり、また風邪は万病の元といわれるだけに寒い季節にこれらの生薬が使われる意義があります。特に、正月早々から一人一人が自分の身体を気遣うことができれば、「年中、無病息災でいられる」ことに繋がるというのが元来の意義です。

正しい漢方処方名は「屠蘇散(トソサン)」で、“散”とは構成生薬の中に揮発成分などを含むものが配合されていて、加熱して煎じる(このような方剤を「湯」と称する)とそれらの成分が散逸して効果の無くなる可能性があるため、本来は粉末のまま服用することが原則です。儀式の場合は、加熱する代わりにお酒でアルコール抽出することで、揮発成分をそのまま溶け出させて利用することになります。

雑煮を祝う前に、年少者から年長者の順に、新年の縁起と長寿を祈念して飲む“習わし”となっています。コロナ禍だからこそ、この正月に相応しい飲み物ではないでしょうか ?

屠蘇散の原材料となる基原植物は、すべて薬草園に植栽されていますよ。冬の晴れ間に薬草園を散策しながらそれら一つ一つをご確認ください。

トピックス12月開花情報(見どころ)

師走。
  コロナ禍で我慢や不安が交錯した1年も、もうすぐ終ります。
  四季折々に表情を変える薬草園は、多くの方に癒しの空間を提供してきました。
  この時季、薬草園は新しい年に向け冬支度に入ります。
  厳しい冬を乗り越えた先に、春の芽生えがあります。
  来年もみなさんの生活に潤いをもたらす薬草園でありたいと願っています。 
 
1.12月の見どころ情報 東玄関の奥側から
①キンセンカ(冬咲きの貴重な草花、乾燥花を肝機能の改善薬に利用)
➁キョウオウ(春ウコン)の冬越し(防寒キャップは初めての試み 成功すれば、2年連続で花茎の出現が期待できる)
③アマハステビアの冬越し(南米のパラグアイ原産、鉢上げ後に防寒キャップを設置)
④トウゴマの越冬なるか ?(南方産の植物で、小浜はぎりぎりの気候)
⑤ウコンの冬越し(防寒キャップは初めての試み)
⑥レモングラスの冬越し(毎年の景観、5月連休過ぎに萌芽予定)

トピックス11月開花情報(見どころ)

霜月。
木枯らしに舞う落ち葉に冬の足音が聞こえてくる季節となりました。
四季折々に楽しませてくれた薬草たちも、過ぎゆく秋を惜しむように、晩秋の日差しを浴びながら
健気に頑張っています。
ぜひ足を運んで、移ろう季節を楽しんで下さい。

 ・11月の開花情報(見どころ)
① コウギク(薬草園で栽培されている「坑白菊」は1980年に中国から導入されたもの。
      菊花には解熱、解毒、鎮痛、消炎などの作用がある。)
② ノゲイトウ(インド原産の1年草で、古くに渡来した帰化植物。
       花穂の先が燃えるように赤い。)
③ リンドウ(各地の山野に自生する多年草。茎の上部に青紫色の4~6花がかたまって咲く。)
④ ウンシュウミカン(ミカン科の常緑低木で、日本の風土に適し最も多く栽培される柑橘。)
⑤ ウド(日本各地の山野に自生。花は淡紅色で、果実は、汁液に富む多肉質の漿果(しょうか)で
    黒く熟する。)
⑥ コエンドロ(地中海やコーカサス地方を原産とする1年草で、枝先に桃色を帯びた白色の
       小花をつけます。果実は球形で、秋に完熟する。)

コウギク
ノゲイトウ
リンドウ
ウンシュウミカン
ウド

コエンドロ

トピックス10月開花情報(見どころ)

      秋麗(あきうらら)薬草園に赤とんぼ
                             詠み人知らず

 日ごとに夕暮れが早まり、吹く風の音に深まり行く秋を感じる神無月を迎えました。
澄み切った青空のもと、薬草園では時おり赤とんぼが羽根を休め、秋の七草が
艶やかに美しく風に揺れています。
この季節ならではの心癒される風景を楽しんで下さい。

・10月の開花情報(見どころ)
① ウコン(熱帯アジア原産の大型多年草。秋に円柱状の花序を出して花を開くので
  秋ウコンと呼ばれる。薬草園東奥の葉陰を探してね。)
② ツリガネニンジン(日本各地の山野に自生する多年草。
  花の形が釣鐘型で、根が白くて太く朝鮮人参を思わせることに由来。)
③ ウンシュウミカン(ミカン科の常緑低木で、日本の風土に適し
  最も多く栽培される柑橘。)
④ アイ(中国から渡来した一年草で、花は淡紅色または白色の小花。
  藍染めの染料として7世紀以前から栽培されている。)
⑤ トウゴマ(直径30~50㎝の掌状葉が互生。晩夏に上方にクリーム色の
  雌花、下方に雄花をつける。種子から採れる油がヒマシ油。)
⑥ キキョウ(日本全土の日当たりのよい草地に自生する多年草。「秋の七草」の一つ。
  自生株は環境省の「絶滅危惧種」に指定。)
⑦ カワラナデシコ(山地の草原や低地の河原などに生える多年草。
  茎頂きに淡紅色の花を数個開く。
  中国産に対してヤマトナデシコとも呼ばれ、「秋の七草」の一つ。)
⑧ セイヨウヤマハッカ(地中海地域を原産として温帯地域に広く分布する多年草で
  白みを帯びた花が晩夏から晩秋に開花。蜂を引き付ける蜜源ハーブとして知られる。)

ウンシュウミカン

ハイビスカス
秋ウコン
カワラナデシコ

トピックス9月の開花情報(見どころ)

秋来ぬと目にはさやかに見えねども
         風の音にぞおどろかれぬる  藤原敏行・古今和歌集

猛暑にさらされた8月が過ぎ、頬に触れる風にようやく秋の気配を感じる頃となりました。
薬草園では、無事夏を乗り越えた草花たちが、可憐に咲き競っています。
ぜひ立ち寄って、初秋ならではの風情を楽しんでみて下さい。

1.9月の開花情報(見どころ) 東玄関の奥側から
①トロロアオイ(黄色の巨大輪で一日花、塊根の粘液成分を紙漉きに利用)
②ミシマサイコ(日本特産の薬用種、黄色小花を次々に咲かせる)
③ムクゲ(白花と紫桃色花の2品種、一日花、樹皮を薬用とする)
④サボンソウ(白花と紅桃色の2種類、根に泡立つ成分がある)
⑤ノゲイトウ(葉が紫紅色でよく目立つ、紅白2段の穂状花を次々に出す)
⑥ハマビシ(黄色小花、果実に多数の棘がある、江戸期に若狭特産の記録)
⑦ウイキョウ(ハーブ名・フェンネル、未熟果を噛むと爽やかな甘みがある)
⑧ツリガネニンジン(薄青色の鐘状花を数段に咲かせる、新芽は山菜)
⑨セリ(春の七草の一つ、白色小花を頂生する)
⑩トウゴマ(大きな赤褐色の葉が目立つ、葉陰に黄色の房咲き)
⑪ウ ド(白花を散形花序につける、春の新芽が山菜として人気がある)
⑫ニ ラ(白花を頂生する、若い蕾は油炒めでほんのり甘い味)
⑬ケイトウ(鶏冠のような花形で花壇の花、中川淳庵が薬品会に出展した)
⑭ホンカンゾウ(朱紅色の美花、若い蕾が中華食材の“金針菜”“)
⑮オミナエシ(秋の七草の一つで黄色の花、根に特有の臭い)
⑯フジバカマ(万葉期からの芳香材、光源氏も愛用か??)


トロロアオイ;病院待合からも見える黄色の大輪花

ケイトウ;夏の代表的な庭花、鶏冠部分が薬用
ホンカンゾウ;朱赤色の大輪花、若い蕾は“金針菜”
ハマビシ;通路まで伸びて黄色小花を咲かせる

トピックス“朝倉ザンショウの突然死”

薬草園の中央左手で、旺盛な生育をしていた朝倉ザンショウの葉が
まるでコロナにでも冒されたようなタイミングで、お盆過ぎあたりから急に褐変し始めました。
これは、サンショウの仲間特有の“突然死”の前兆と思われます。
悲しいことながら、葉を落とした後、枯死することでしょう。

サンショウの突然死は、古来より「植物界の七不思議」の一つとして知られる現象で
その原因は未だ特定されていません。
通常は定植後10年ほどで突然枯れてしまうのですが、この木は定植してからまだ3年目の若木で
ようやく少量の果実を実らせ始めたところでした。残念 !!

幸いにも、すぐ横に植えた“ブドウサンショウ”は極めて順調に生育していますので
春の花と秋に赤く色付いた実などを観賞することができます。
越前朝倉家にゆかりの深い植物種ですから、いつまでも生き生きと育って欲しいと願っています。


褐変した朝倉ザンショウと生育旺盛な葡萄サンショウ

トピックス8月の開花情報(見どころ)

猛暑が続いていますが、7月24日の小浜市の最高気温は37度3分を記録し、全国1位となり地球温暖化を身をもって体験しました。
海に抱かれた小浜がなぜこうも暑いのか、不思議な現象の中にいます。
薬草園では、植物たちが8月の強烈な太陽の光を浴びながらも、生きようと精ぃっぱい自己主張しています。
ぜひ訪れてみて、この夏を乗り切る力を もらって下さい。

 8月の開花情報(見どころ) 東玄関の奥側から
 ①トロロアオイ(黄色の巨大輪で一日花、塊根の粘液成分を紙漉きに利用)
 ②トウキ(レース様の白花が次々と咲く、葉に特有の香り)
 ③ミシマサイコ(日本特産の薬用種、黄色小花を次々に咲かせる)
 ④ムクゲ(白花と紫桃色花の2品種、一日花、樹皮を薬用とする)
 ⑤サボンソウ(白花と紅桃色の2種類、根に泡立つ成分がある)
 ⑥ノゲイトウ(葉が紫紅色でよく目立つ、紅白2段の穂状花を次々に出す)
 ⑦ハマビシ(浜砂に生える絶滅危惧種、黄色小花、果実に多数の棘がある)
 ⑧ツリガネニンジン(薄青色の鐘状花を数段に咲かせる、新芽は山菜)
 ⑨トウゴマ(大きな赤褐色の葉が目立つ、葉陰に黄色の房咲き)
 ⑩エビスグサ(黄色の蝶形花、果実は弓状に曲がる、種子を“ハブ茶”に利用)
 ⑪西洋ヤマハッカ(レモンバームは蜜源ハーブとして有名、白みの小花)
 ⑫ハナハッカ(オレガノは元気を取り戻す香り、淡紅色の穂状花)
 ⑬ケイトウ(鶏冠のような花形で花壇の花、中川淳庵が薬品会に出展した)
 ⑭オミナエシ(秋の七草の一つで黄色の花、根に特有の臭い)
 ⑮ハトムギ(果実が茶材となる、目立たない黄緑色の花)
 ⑯メボウキ(バジルは葉に特有の精油を含む、白色小花を穂状に咲かせる)

ハマビシ;黄色小花を咲かせる、未熟果実には棘が見える
トウゴマ;大きな赤褐色の葉陰に、房咲きの黄色花
トロロアオイ;病院待合の前で咲き始めた黄色の大輪花
オミナエシ;早くも咲き出した“秋の七草”の黄色花

ニュース行事予定

福井県では、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、特別警報が発令中で、イベントなどの開催を自粛しています。
当園でも「薬草を楽しむ会」などの行事は、見合わせています。

このページの先頭へ