クロモジ・高級な和菓子に添える爪楊枝
薬草検索
特徴
季節を彩る上品な和菓子には通常少し太めの爪楊枝が添えられています。その材料がクスノキ科のクロモジ(Lindera umbellata)で、本州~九州の樹林下に自生する落葉低木です。雌雄異株で、春、葉に先立って黄色の花を密につけ、果実は黒く熟します。室町時代の頃、宮中に仕える女房達は衣食住に関する言葉を直接口にするのをはばかり、「もじ」をつけて隠語的に呼びました。本種は京都の北山にも多く自生し、昔から爪楊子の材料にされてきました。京都の古い料亭などでは今でも爪楊子のことを”クロモジ”と呼びますが、樹皮の斑紋が黒いことから、黒楊枝に「もじ」をつけ加えたものらしい。しゃもじ(杓子)、かもじ(髪の毛)などと同様ですね。なお、客前に出す直前に先を削り直すと、特有の香りがより強くなることを覚えておくと重宝しますよ。
根皮を「釣樟(チョウショウ)」と呼び、いんきん・たむしなどの皮膚病に用います。また枝葉を浴湯料あるいは茶材として利用すると、リウマチや関節痛に効果があります。枝や幹には主にリナロールなどの精油(クロモジ油)を含み、香水や石鹸の芳香料に用いられています。さらに、花は生花に使われ、枝幹はしゃれた垣根材としても賞用されています。