アマドコロ・根茎が「ドゥングレ茶」
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特徴
アマドコロ(Polygonatum odoratum var. pluriflorum)は東アジアに広く分布する多年草で、日当たりの良い草原や林縁に自生していて、庭先や鉢植えなどでは斑入りの園芸種が栽培されています。最近の遺伝子解析研究によって大集団のユリ科からキジカクシ科へと所属が変更されました。草丈は30~50cm。地下茎は円柱形で節があり、節間は長く横に伸びています。その先端から毎年1本の芽が出て、少し斜めに立った茎には6本の稜(縦筋)があり、触ると少し角張った感じがします。葉は鈍頭の楕円形で、互生します。4~5月頃、淡緑白色の小さな筒状花を葉腋から1~2個生じます。果実は液果で、径1cmの球形。花と同様に下向きに垂れ下がり、秋に青黒く熟します。和名は、根茎の形状がオニドコロに似ていて、糖分を含んで甘いことに因ります。
根茎を「萎蕤(イズイ)」と呼び、漢方では強壮、強精薬としますが、現在ではあまり使われていません。常用すると、顔面の黒点を去り、血色をよくし、また咳や疲労倦怠にも効果があるとされています。
新芽や根茎には甘みがあり、山菜として天ぷらや茹でて和え物にされます。根茎は特に晩秋が旬とされ、韓国では茶材として「ドゥングレ茶」と呼ばれています。さらに、根茎を浸けた「アマドコロ酒」は、特有の香りがあり、補精、強壮、老化防止などに効果があるとされています。