イヌバラ・赤色の酸っぱいお茶
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特徴
イヌバラ(西洋ノイバラ Rosa canina)は、ヨーロッパ全域で普通に見られる野生の落葉低木です。高さ1~5mほどで、高木に絡みついて樹冠まで伸びることもあります。つるバラ仕立てに適して半日陰でも生育します。花は径4~6cmで、白~ピンク色、花弁は5枚。夜間に匂いが強くなる性質があります。10月中旬~11月に径1.5~2cmで橙赤色の果実をつけます。
赤熟した果実を天日干しした後、中のタネと毛を取り除いたものが「ローズヒップ」で、お茶、ジャム、スープなどに利用されています。「ヒップ」はお尻というのではなく、古い英語で「野バラ(Hiopa)」を意味しています。南米のチリやアルゼンチン、ヨーロッパなどで生産されていて、色は赤、オレンジ色、濃紫色など、形も球形、紡錘形、涙形など様々です。特にビタミンCが豊富(レモンの20倍ほど)で、加熱しても壊れにくく、リコピンの作用で吸収率が高められる特色を有しています。爽やかな香りで、ほのかな酸味・甘み・多少の渋みもあるので、少量の蜂蜜を加えるのがお薦めです。またオイルは食用油としてジャム、ジェリー、マーマレードにも用いられるほか、スキンケアにも利用されます。緩下、利尿、抗菌、抗炎症作用のほか、眼精疲労や風邪の予防、メラニン色素生成を抑制してシミを予防し、女性ホルモンを活性化させて美肌やアンチエイジングの効果も期待できます。