ウイキョウ・痩身ハーブとして人気
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特徴
ウイキョウ(Foeniculum vulgare)は、コーカサス地方から地中海沿岸西部にかけて自生する大型の多年草で、高さ約2mに達し、葉は羽状に細裂し、植物全体に香りがあります。5~6月頃、黄色の小さい花を多数つけます。中国では、古来その草の実を懐に入れておき、時々噛むことで口臭を予防したことから「懐香(ウイキョウ)」と呼ばれ、後に字が変わって「茴香」になったとされています。今でも海外のレストランでは勘定書とともに本種の果実が出されることが多く、食後に5~6粒を噛めば、胸焼けやガスによる腹の張りを防げます。まさに「古今東西を問わず」といった感じです。
乾燥果実には健胃、整腸、去痰、鎮痛、駆風(お腹のガス抜き)などの作用があります。未熟果実を噛むと、頭の中をスーッと風が吹き通った感じがして、頭が重たい風邪の初期症状を緩和するのに効果的なことが体感できます。薬草園の見学会の折にでもぜひお試しください。
香辛料の「フェンネル」も乾燥した果実で、ドリンク類や魚料理に用いると、満腹感を覚えさせ油分を体外に排することから“痩身ハーブ”として人気があります。優れた浄化剤で、体内から食べ過ぎや飲み過ぎで生じた毒素を取り除き、肝臓、腎臓、膵臓などの働きを助け、二日酔いにも効果的です。しかし、その作用は強力ですから、妊婦や癇癪を患う方には禁忌とされています。