トップページ > 中川淳庵顕彰薬草園 > 薬草のご紹介 > セリ・七草粥の具材

セリ・七草粥の具材

薬草検索

特徴

 セリ(Oenanthe javanica )は、陽当たりのよい野山、田の畦や湿地に普通に見られる蔓性の多年草です。高さ約30cm、7~8月に白色の小花を多数つけ、結実します。開花期から地下茎を盛んに出し、秋には各節から芽と根を出して殖えるほか、種子も発芽するので繁殖力は旺盛です。セリの名はお互いに競り合って育つという意味があります。キアゲハは、本種を食草として都市部に定着しています。

 全草に精油0.07%を含み、特有の香りとともに胃を丈夫にし、発汗、解毒などの作用があります。細胞膜を強化する働きのあるカロテン、造血作用のある葉酸、貧血の改善に役立つ鉄分などを多く含んでいます。霜にあたった冬の野菜が美味しいのは、プリンの生成量が少ないことによります。

 万葉の昔から春の七草として"いの一番"に上げられるなど、独特の香気と野趣あふれる風味を有しています。また若菜を「七草粥」として正月七日に食する宴は中国の影響を受けたもので、「羹(アツモノ)」がお粥の形に整ったのは南北朝期以降、さらに江戸期には調理の際に独特の呪文を唱える風習も広まりました。したがって、七種粥は決して栄養摂取や消化促進のためだけではなく、古代の人々が自然の若菜に霊力を感じ、年初に生命力の活性化や長寿を祈る風習を生んだものと考えられます。ただし、本種の汁液が肌につくとかぶれ症状を起こすことがあるので、肌の弱い人は要注意です。

このページの先頭へ