ウツボグサ・痩身ハーブの代表
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特徴
今は田んぼの周囲もコンクリートで固められることが多くなり、畔道に生えてくる草も除草剤で忽ち駆除されてしまいます。そんな苦難の時代を迎えている草の一つがシソ科のウツボグサ(Prunella vulgaris ssp. asiatica)です。東アジアの寒帯から温帯にかけて広く分布する多年草で、日当たりの良い場所に群生しています。葉は長さ2~5cm、長楕円状の披針形で対生し、長さ1~3cmの葉柄があり、全草に白色の粗い毛が密生しています。6~8月頃、茎頂に紫色の唇形花を麦穂状につけますが、和名はその形が弓矢を入れる道具「靫(ウツボ)」に似ていることに由来しています。また真夏に花穂のみが急に褐色に変色し、まさに枯れたようになるのが最大の特徴です。
その褐変した花穂を乾燥させたものが「夏枯草(カゴソウ)」で、和漢薬に関する成書には消炎性の利尿薬として残尿感や不快感のある膀胱炎、腎臓炎などに用いられ、腫物やむくみにも煎用すると記載されています。一般には健康茶の材料として利用されることが多く、“痩身ハーブ”の代表格として扱われています。成分は可溶性無機塩類で約3.5%含まれ、そのうちカリウム分が68%を占めることから、夏枯草の利尿作用は主としてカリウム塩によると思われます。そこで、血液をサラサラにする薬(例えば、ワーファリンなど)を服用されている方には不向きですね。表記された健康茶の原料にご注意ください。