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ウスベニアオイ・色の変化を楽しむ茶材

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特徴

 ウスベニアオイ(Malva sylvestris)は、南ヨーロッパを原産とする多年性の宿根草です。草丈は通常60~80㎝ですが、時に2mに達することもあります。葉は長い柄があり、丸形で掌状に切れ込みます。初夏から夏にかけて、径3~4cmの赤紫色の花を咲かせます。濃い紫色の筋が入り、仄かな香りを有しています。8~9月頃に種子を実らせます。冬の寒さにも強く、大変丈夫な植物です。

 花はハーブティーとして利用されています。お湯を注ぐと透き通った青い色のお茶になりますが、レモンを浮かべると瞬時にピンク色に変化するので大変人気があります。このように、花の水溶液は酸性や塩基性の溶液を加えると色が変化するので、理科の教材や夏休みの自由研究などに利用されることもあります。若葉と花はサラダに、葉と根は茹でて野菜としても利用されます。また民間療法として咳や胃炎に効果があるとされていますが、妊娠中の人や食べ物アレルギーの人は利用できません。

 栽培は、よく陽光の当たる場所に植え、土は水はけの良い弱アルカリ性のものが適しています。比較的多湿を好む傾向があり、夏場の水やりを怠らないことがポイントです。ただし、冬場はやや乾燥気味に育てるのが良いでしょう。根が太くて直根性のため、直播栽培が適しています。