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セイヨウカマツカ・ジャムや果実酒で楽しむ果実

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特徴

セイヨウカマツカ(Aronia melanocarpa)は、北アメリカ東部原産の落葉低木で、耐寒性が比較的強く、やや湿った土地に生えています。果樹または観賞用樹木として利用されます。幹は高さ0.9~2.4mで直立します。葉は長さ2.5~7.0㎝、幅2.5~3.5㎝の倒卵形で無毛、光沢のある淡緑色で、秋には濃紅色に変わります。花はナシに似ており、白色または淡紅色の五弁花で、3~6月に咲いて甘い香りを放ちます。果実はブルーベリーに似た径5~10㎜ほどの縦に長い楕円形で、先端に萼片が残り、秋に黒く熟します。日照が不十分だと開花や結実が思わしくないことがあります。

果実(black chokeberry)は生でも食べられますが、渋みが強くて苦味があるので、通常はジャムに加工されます。また酒に漬け込んで果実酒としても楽しまれています。北米先住民の保存食である「ぺミカン」の材料で、北米の他にロシアやブルガリアなどでも広く栽培されています。日本でも小規模ながら北海道の伊達市、千歳市、余市町で栽培されているようです。野鳥を呼ぶ木としても価値があり、挿し木で増殖します。なお、果実が赤く熟する品種(A. arbutifolia:red chokeberry)もあります。

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