アカネ・血液循環の改善薬
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特徴
アカネ(Rubia cordifolia)は、東南アジアからヒマラヤにかけて広く分布し、日本の山野でも普通に見られる多年草で、逆刺により他の植物にからまって繁茂します。葉は心形で4枚が輪生状となり、夏~秋に淡黄色の小花を開きます。果実は液果で、黒く熟します。英名:madder
生薬「茜草根(セイソウコン)」は、止血、解熱、強壮、鎮咳、去痰などの効があり、また平滑筋の収縮を促す作用のあることが知られている。根は、生の時は黄赤色ですが、乾くと暗紫色になります。その色が血液を連想させることから、古く“同色生薬”(同じ色の植物は、その色の病気を治すという考え方)の一つとして喀血、血尿、通経など血液循環の改善薬として用いられるようになりました。例えば、還暦祝いの“赤いチャンチャンコ”も同様で、還暦ともなれば血流が滞り、また血液の病気になりやすいので、予防の意味で赤い色の物を身につけさせ、皮膚からの吸収を願うとともに、赤い色に宿る神の加護を祈ったものと考えられます。
古代から染料植物として良く知られ、この根の煎汁を使って“茜染め”をします。本来、草かぶれを防ぐため農作業用の下着を染めました。椿の灰汁を発色剤として用いますが、単独では浅緋の色相にしかならないので、紫根との重ね染めで「深緋」を出す複雑な技法が知られています。