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エゾネギ・食欲を増す万能の薬味

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特徴

 エゾネギ(A. schoenoprasum var. schoenoprasum)は、東北北部から北海道の山野や海岸の草地に生える多年草で、最近ユリ科からヒガンバナ科へと所属が変更されました。特にヨーロッパなどに産するものは「チャイブ(英名)」「シブレット(仏名)」と呼ばれ、明白な鱗茎を形成せず、また夏期に休眠しないなど日本産の変種アサツキとは生理・生態が著しく異なっています。

 葉と花が食材として利用されます。中国では「北葱」と呼ばれ、古くから植物の中の宝石とも讃えられてきました。かのマルコ・ポーロも中国に渡って以来、しばらくこのハーブに夢中だったそうです。他のネギ類に比べて風味がマイルドで、和・洋・中どんな料理にも合う万能の薬味です。

 ビタミンCや鉄分が豊富に含まれて栄養価が高いことから、貧血の予防や血行改善に良いとされています。また食欲を増進して消化を助ける働きもあり、食前・食後にハーブティーにして飲むと効果を実感できるでしょう。風邪やインフルエンザなどにも有効で、諸症状を抑えてくれます。

 半日陰でも丈夫に育ち、水はけがよくやや湿り気のある肥沃な土壌を好みます。草丈20~40㎝ほどに成長し、初夏には先端にピンク色の丸い花を咲かせます。栽培中にアブラムシが発生したら、牛乳を4~5日間隔で2回ほど噴霧することで駆除できます。