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ギョウジャニンニク・修験者の味方か ?!

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特徴

 ギョウジャニンニク(Allium victorialis subsp. platyphyllum)は、日本の中部以北に自生し、主として亜高山地帯の水湿地に群生している春緑型の多年草です。株全体にニンニクに似た強い臭いがあります。鱗茎は長楕円形で、外周は網状繊維です。葉は赤い長柄を持ち、長楕円形で20~30cm、軟らかくて平行脈です。7月頃、花茎の頂端に白色小花をたくさんつけます。和名は、修験者が荒行に耐える精力をつけるため食したことに由来するとか、逆に滋養がつきすぎるため食べることを禁じられたからとの説もあります。北海道でよく採れ、俗に“アイヌネギ”と呼ばれて親しまれています。

 5月上~中旬頃の山菜として知られ、若芽や根茎は食用として美味です。お浸し、酢の物、炒め物、天ぷらなどに用い、また醤油漬けにして保存します。肉との相性もよく、餃子、卵焼き、ラーメン、焼きそばなどの具材としても利用されます。乾燥あるいは軽く茹でてから冷凍保存しておくと、通年食べることが可能です。強い臭いの元は硫化アリルで、ニンニクよりも豊富に含まれています。強い殺菌力があり、また血栓の生成を防ぎ、血中コレステロールの増加を予防します。

 北海道では露地軟白栽培法が行われていますが、播種から収穫までの生育期間が5~7年と非常に長いことから、希少な山菜として市場の流通量は少なく、高値で取引される傾向にあります。