キンセンカ・早寝早起きの花
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特徴
キンセンカ(Calendula officinalis)は、南ヨーロッパの地中海沿岸に原産する越年草で、草丈30~60cm。全体に腺質の軟毛があって、独特の臭気があります。葉は細長いへら形で、軟らかい多肉質です。花期は通常3月上中旬~5月で、枝先に径8cmほどの淡黄色または濃橙黄色の頭花をつけますが、シェークスピアは『冬物語』の中で、「太陽とともに眠りにつき、太陽とともに起き出す花」と表現しています。痩果(ソウカ)は強く湾曲して全面に突起があります。和名は、花が金色の盞(サカズキ)のような形をしていることに由来します。また属名は、本来は月の第一日に対するローマの呼名(calendae)でしたが、これが転じて1ヶ月を指す言葉となったため、花期が長くて絶え間なく咲き続ける本種の学名に用いられました。英名(Pot-marigold)は、聖母マリアに因んでつけられたもので、この植物が生理痛を鎮め、遅れた月経を促すことと関連しています。日本では古くから品種改良が進められ、今では切花や花壇・鉢植えとして親しまれています。
「金盞花(キンセンカ)」は花を乾燥したもので、肝臓や胆嚢を浄化して胆汁の分泌を助け、毛細血管を収縮して傷の治癒を促すことが知られていて、内服と外用でそれぞれ利用されています。花弁はサラダ、スープ、シチューなどに入れて色付けに用いられ、また茶材、石鹸、浴用剤、ポプリなどにも利用されます。