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カミツレ・神経を鎮めて安眠

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特徴

 ストレスによるイライラ感を鎮めたい、少し風邪気味の頭重を解消したい、精神不安で眠れない夜になど、ヨーロッパのご婦人方はとにかくカモミール・ティーを飲まれる機会が多いですね。カミツレ(Matricaria chamomilla)の開花最盛期の花を乾燥したもので、発汗、駆風(お腹のガス抜き)、鎮静、抗炎症、抗菌、抗痙攣作用など多くの薬理効果が認められています。感冒、下痢、不眠症、精神不安症の治療薬として内服されるほか、浴湯料、湿布剤、化粧品などにも使用されています。

 地中海沿岸地方原産で耐寒性の一年草。高さ60~70cm。葉は羽状に分裂して芳香があり、5月中旬~7月頃、枝先に径2cm内外の頭状花を開きます。成熟するにつれて花芯が盛り上がり、この中にリンゴのような甘い香りの精油が溜まります。今では世界各地で帰化植物となっています。日本には江戸末期に伝来し、摂津国(今の大阪府茨木市付近)で盛んに栽培されていたようですが、雑草のように生命力の強い植物なので作りやすく、近年気軽にハーブティーを楽しみたい方が増えて各地での栽培が広がりました。生花なら6~7輪、乾燥花なら小さじ1杯が一人分の目安。熱湯を注ぎ時間を置くことで、ミネラルを中心とした成分が抽出され、それらを摂取することによって、血液の循環を促し、神経を鎮め、体内に溜まった毒素を排出させ、不足した栄養分を補う効果が得られるわけです。