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カワミドリ・根部を薫香料に

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特徴

 カワミドリ(Agastache rugosa)は、各地の草原や林縁に生える多年草で、観賞用としても栽培されています。茎は四角形で直立し、高さ40~120cm。葉は、鋸歯のある卵形で対生し、長さ1~4cmの葉柄があります。8~10月頃、茎の先に円柱状の花穂をつけ、多数の花を開きます。花冠は紅紫色で、雄しべが花冠から突出しています。植物全体に独特の強い香りがあります。

 秋に茎葉を刈りとって陰乾したものを「藿香(カッコウ)」と称し、芳香性健胃、清涼解熱薬として、食欲不振、消化不良、胃酸過多、風邪あるいは暑気あたりによる発熱、頭痛、嘔吐、下痢などに用いられています。またその抽出液は精油0.2~0.5%を含み、白癬菌など多種の病原性真菌に対して抑制作用を有しています。ただし、藿香にはフィリピン原産のパチョリを基原とするものがあり、広東省や海南島で生産されるところから「広藿香」と呼ばれています。一方、本種の根を乾燥したものが「排草香(ハイソウコウ)」で、日本では薫香料としてのみ使用されています。清涼感のあるクールな香りです。

 近縁種で北米原産のアニスヒソップ(A. foeniculum)は、全草に強い香りがあるハーブで、“蜜源植物”としてもよく知られています。高さ60~100cmになり、初夏の頃から枝先に藤紫色の穂状花を次々と咲かせます。花や葉を小さくちぎってサラダに入れると食べられます。