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レモングラス・手軽に楽しむハーブティー

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特徴

 芳香性の精油成分を有するイネ科植物は「コウスイガヤ(香水茅)」と総称され、インドや東南アジア地域で広く利用されています。その代表がレモングラス(Cymbopogon citratus)です。インド原産の多年草で、マレー半島、マダガスカル島、ブラジルなど熱帯地域で広く栽培されています。日本へは大正時代の初期に渡来しました。茎葉は高さ1.5mほどになり、節には通常蝋粉があります。葉はやや白っぽい緑色を呈し、長さ1mで細長くススキのような形状で、種子島以南では不定期に花が咲きます。若狭地方では株元への土寄せと荷造りシートの被覆によって簡単に冬越しさせることができます。

 本種の茎葉にはシトラール油を主成分とする精油が含まれていますので、強いレモンの香りがあります。“解体新茶”にもブレンドされていますが、乾燥葉に熱湯を注ぐだけで、家庭でも簡単にハーブティ―を楽しむことができます。タイ料理のトムヤムクンには株元部分が香り付けに利用されていますね。

 中国では全草を「香茅(コウボウ)」と称し、風邪の頭痛、胃痛、関節疼痛などに用いています。またインドのアーユルベーダ医療では熱を下げ、疲れを取り、感染症の治療にも有効とされています。インドネシアでも月経不順や食欲不振などに用いられているようです。