メボウキ・トマトとの相性抜群
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特徴
正式和名のメボウキ(Ocimum basilicum)は、種子が水気を含むと表面が寒天のように膨れ、目のゴミを拭い、かすんでいる目を治すというので”目の箒”という意味ですが、今では英語名の「バジル」あるいはイタリア名の「バジリコ」の方がよく知られています。インド、アジア南部、中東などに分布する一年草で、高さ30~60cm。よく分枝して、盛夏から秋の中頃にかけて小さい帯紫白色の花を開きます。種子はゴマをやや細くした感じで、暗褐色を呈します。世界中には150以上の変種があって4つのタイプに大別されますが、当然、種類や産地によって成分組成が異なります。最も一般的な欧州タイプはリナロール含量が高く、その香りは甘くフローラルです。
全草にエストラゴールを主成分とする精油を含み、ヨーロッパでは古くから民間薬として根を神経衰弱性の頭痛に用いました。中国では、花穂や葉が神経の高ぶりを鎮め、頭痛を除き、産後の血行改善にも有効とされています。
現在は、もっぱら香辛料としてスープ、サラダ、魚肉料理に利用されています。水に長く浸けたり、傷がつくと黒く変色します。包丁を使うと風味が損なわれるので、通常手でちぎって使います。地中海料理ではトマトとの相性がよく、また栽培面でも両者を混植すると“共栄作物”となります。