ノゲイトウ・紅白の花序が愛らしい
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特徴
ノゲイトウ(Celosia argentea)は、高さ40~100cmになるインド原産の一年草で、本州西部から九州南部に野生化しています。また切り花用として生産栽培も行われています。葉は長円状の披針形で、全体に赤紫色を呈します。花序は初め白色の円錐形で、後に伸長して長さ20cmほどの淡紅色の円柱状となります。愛らしい紅白の花序が数多く伸びて、とにかく薬草園の中ではよく目立ちます。
扁円形で光沢ある黒色の種子が「青葙子(セイソウシ)」で、強壮・消炎薬として血液や目の病気に利用されています。中国やインドでは若芽を食用とするほか、全草を止血にも利用しているようです。
本種の栽培では、種子が「嫌光性」のため発芽には覆土が不可欠の条件となります。また「高温発芽性」で、発芽には25℃以上を要します。さらに、「直根性」のため移植を嫌うので、直に播いて適当な間隔に間引いて育てるのがポイントです。花成誘導の日長反応は「相対的短日性」で、14時間以下では花芽分化が促進され、16時間では逆に遅延する性質があります。したがって、幼苗時に保温資材などで暗くすると、短日感応して貧弱な株で開花してしまうことになります。さらに、「風媒花」のため改良された園芸品種などの近縁種と交雑しやすいので、その点でも注意が必要です。