セイヨウヤマハッカ・情緒を晴れやかに
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特徴
セイヨウヤマハッカ(Melissa officinalis)は、地中海地域を原産とする多年草で、北半球の温帯地域に広く分布しています。高さ30~80cm、茎は四角形で先端近くが分枝します。葉は、長さ約7.5cmの卵形で、レモンの香りを有するので英名を「レモンバーム」と言います。花は白みを帯びた小花で、稀に桃色や黄色のものもあり、晩夏から晩秋に開花します。耐寒性が強く、高温多湿にも耐え、成長が速く極めて丈夫な植物です。属名は、ギリシャ語でミツバチを意味し、ハチを良く引き寄せる“蜜源ハーブ”として広く知られています。果樹園などに植えると、ハチを誘って受粉を助けてくれます。
開花直前に収穫した葉を「メリッサ葉」と称し、シトラール、リナロールなどを成分とする精油約0.1%を含有しています。ハーブティーの素材として利用できます。また水蒸気蒸留で抽出した「バーム油」は、バラと同様大変高価ですが、駆風(お腹のガス抜き)、発汗、鎮痙、鎮静などの作用があり、ごく少量で神経性の心悸亢進、不眠症などに効果が期待できます。また情緒を明るく晴れやかにする効果もあり、ショック、パニック、ヒステリーなどに強力な鎮静効果を示してくれます。さらに、賦香料としてガム、歯磨き、キャンディーなどにも使われています。