ショウガ・血行と食欲を増進
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特徴
ショウガ(Zingiber officinale)は熱帯アジア原産の多年草で、温帯地方では通常花は咲かず、冬期10℃以下になると塊茎が腐敗してしまいます。加温温室では不定期に開花が見られ、花は花序の間から出て、夕方から翌朝まで咲き続けます(写真参照)。塊茎には8~10節があり、芽は両側に交互に形成されますが、外側の芽だけが発育し、2~5次の分げつによって茎葉が繁茂します。本種は栽培の歴史が古い割には品種の分化が少なくて、塊茎の大きさで大・中・小の3群に大別されています。薬用は専ら小型ショウガですが、その大部分は中国などからの輸入に依存しています。
ショウガをそのまま乾燥したものを生姜(ショウキョウ)、蒸して乾燥したものを乾姜(カンキョウ)と呼び、病気の症状によって使い分けされています。生姜は芳香辛味性健胃薬として利用されます。血行を良くして胃液の分泌を助け、発汗を促す作用があり、また強い殺菌力があって食中毒の予防にも有効です。乾姜は新陳代謝機能を盛んにして寒冷をとり除く作用が強いので、足腰の冷え症によく用いられます。精油の主成分はジンギベロールという辛味成分です。最近、その成分が炎症や痛みを抑制し、また軟骨を破壊する酵素の生成を抑制することが判り、かつて陸上・金メダリストのカールルイスは酷使による関節の痛みをショウガエキスの内服で克服した、と新聞報道されましたね。