トップページ > 中川淳庵顕彰薬草園 > 薬草のご紹介 > ウコン・鬱根(ウコン)木綿の産着

ウコン・鬱根(ウコン)木綿の産着

薬草検索

特徴

 紅花(コウカ)で染めた桃色木綿の女児用産着に続いて、黄色く染めた鬱金木綿の男児用産着をご紹介しましょう。昔から「男の子は胃腸が弱くて」というので、鬱金の成分を吸わせて胃腸を丈夫にする効果をねらったものです。実は、紅花も鬱金も木綿繊維には染まりつかない、そのことが産着としては大変重要で、袖口をしゃぶることで成分が取り込まれます。またそれぞれの成分が汗に溶け出し、皮膚の雑菌を殺します。加えて、弱酸性の皮膚に有害なアルカリ成分などが着くと、黄⇒赤、桃⇒紫に変色して赤ちゃんの変調や異常を知らせるセンサーともなっているのです。染料の弱点を実にうまく利用している『先人の知恵』には脱帽ですね。当然、産着の洗濯には洗剤を用いず、比較的冷たい水で押し洗いし、仕上げに薄いレモン水をくぐらせたら、必ず屋内に干すことです(色素は紫外線で急速に退色します)。

 ウコン(Curcuma longa)は、熱帯アジア原産で高さ1~1.5mになる大形の多年草です。春にショウガのような根茎を植えると、霜で葉先が枯れる頃新しい根茎に養分を貯め込みます。その根茎を湯通し・乾燥した「鬱金」には、芳香性健胃、肝機能改善、悪酔い防止、抗酸化作用などが知られています。服用すると二日酔いの防止に効果的、というテレビCMを毎日のように目にします。また「ターメリック」の名でカレー粉、お茶、エスニック料理などの香辛料としても大量に消費されています。